「こちらです」


看護師さんが部屋のドアを開けるとそこには花歩と中年の優しそうな医者


この人が花歩の担当の主治医だろう


「ご家族の方ですか？」


利一さんが小さく頷いた


１人部屋にソファーと椅子がある


生活出来るな。此処


「お掛け下さい」


「それで、娘は大丈夫なんでしょうか？」


俺もそこが心配だ


「命に別状はありません。しかし、いつ目を覚ますかも分かりません」


「それは…」


「目を覚ますのが今日かも知れない。もしかしたら全く目を覚まさないかも知れない。分からない状態です」


医者が言うなら正しいのだろう


「それと…両足骨折、背中には深い傷があります。長期になるのは覚悟しておいて下さい」


背中からの出血はすごかったしな。


見てられなかったんだ