「とりあえず、今はそっとしといて。俺と花歩だけにさせてくれ」


花歩が目を覚ました時、周りに大勢居たら不安になっちゃうだろうから。


「分かったわ。あたし達も心配だから連絡ちょうだいね」


「ママ~。これ」


奏が必死に押していたのは車椅子


「しばらくはこれを使って生活した方が良いらしい」


「分かった。置いといて」


親父に車椅子を置いてもらったら母さん達は退室して行った


いつ花歩が目を覚ますか分からない


だけど、花歩が不安にならないように近くに居てあげたいんだ


花歩には辛い思いさせてしまったな。


「……んっ?」


「花歩?起きた?」


頭を撫でながら優しく声を掛ける


「奏哉…?本当に奏哉?」


「あぁ、俺は奏哉だよ。」


この部屋には2人だけという事が分かったのか涙を流した