「奏哉…百面相してどうしたの?」


「いえ…なんでもないです」


何故、俺は気付かなかったんだろう


もっと早く気付いてればこんなことにならなかった


花歩の顔色が悪かったのは具合が悪かったわけではない


悠介に会ったからなんだ


「花歩ちゃんね、捻挫してるわ。しばらくは安静していた方が良いわね」


花歩の手当てをしながら千景さんが呟いた


「はい。終わり。後はゆっくり休んでね」


「分かりました。ありがとうございます」


「今は気を失ってるだけだから。目が覚めた時に奏哉が居た方が花歩ちゃんも安心すると思う」


千景さんから説明を聞き花歩を連れ部屋に戻った


花歩と一緒に過ごすつもりだったから花歩の荷物も此処にある


まさか、こんなことになるなんて思わなかったけどな。