想いが通じてからしばらく花歩を抱き締めていた


それは自分の気持ちを言ってスッキリしたらしい花歩がボツリと呟いた


“人の温もりが恋しかった”と…


まだ少ししか聞いてないけど…


元カレには頼れなかったみたいだし。


利一さんは仕事で忙しいから甘えたくても甘えられなかったんだな…


その分、俺が花歩を支えてあげたいと思った


だから、今だって俺から離れない


まぁ、頼って貰えて俺は嬉しいけどな…


「奏哉、知歩のことは本当に良いの？」


「うん。今は知歩より花歩が好きだから」


「あたし、とことん甘えちゃうよ？それでも良いの？奏哉は怒らない？」


俺は花歩の頭を撫でながら“怒らねーよ”と言った


好きな女には怒りたくない


寧ろ、怒るくらいなら花歩との時間を大事にしたい


それが、俺の願い。