次に花歩が目を覚ましたのは8時すぎ


「体調は…?」


「良くなったぁ」


「母さんがタマゴ雑炊、作ってくれたから食べな」


しかし、花歩は渋い顔をした


「どうした?」


「なんか、申し訳ないな」


悲しそうな顔をする花歩の頭を撫でる


「“申し訳ない”なんて思わなくて良いよ。俺も母さんもしたくてしてるんだし」


知歩には悪いけど…


花歩の方が可愛い


母さんも奏も花歩のことお気に入りだ


「食べさせてあげようか?」


ちょっと意地悪してみる


「良い!!自分で食べるもん」


……言うと思った


「嘘だって。自分のペースで食べろよ」


ポンポンと花歩の頭を撫でる


「ねぇ…奏哉?」


「……んっ?なに?」


タマゴ雑炊を食べるため移動している花歩をしれっと抱き寄せる