「奏ちゃん、ママのとこ行こうね」


“うん”と言った奏を花歩は抱いていた


「花歩、奏を抱いて大丈夫なのか?」


「うん。奏ちゃん、軽いから大丈夫」


奏は花歩に抱かれ嬉しそう


「奏哉、花歩ちゃん。おはよう」


親父が新聞を読みながら挨拶をする


「拓海さん。おはようございます」


花歩は奏を抱いたまま椅子に座る


「あらあら、奏は花歩ちゃんにベッタリね」


母さんはコーヒーを淹れながら呟く


そして、手持ち無沙汰な俺を呼び耳元でこう囁く


「やっと自分の気持ちに気付いたかしら?」


……えっ?何で知ってんだ?


「その表情は図星ね。あんた見てれば分かるわよ」


そういえば、母さんの観察力が凄いこと忘れてた


母さんは再び耳元で“花歩ちゃんなら大歓迎よ”なんて言っていた