「お、もう学校か」

流くんと登校すると、あっという間だ。

あたしが流くんと出会ったのは、中学3年生の秋。

あの時は学校が違って、なかなか会えなくて…。

「ひよこ、教室いくぞ」

「あ、うん!」

あたしは流くんの手を握る。

「っおい!」

「何ぃ〜?嫌じゃないくせに!」

顔に出さないように必死に堪えてるんだけど…。

「嫌じゃ…ねぇけどさ…」

耳や首まで真っ赤にした流くんを見ると…

あたしまで真っ赤になっちゃう…。

「ひよこ、顔赤い…」

「流くんに言われたくないよぅ…」

それからあたしたちの会話はなくなったが、手は離さなかった。