“彼”…福島流星(ふくしまりゅうせい)とは、一緒に登校するのが日課である。

「ちょ…流くん!待ってよ!」

流くんがあたしを「ひよこ」って呼ぶように、あたしは「流くん」って呼んでいる。

もちろんあたしだけ。

こんな小さいことでも、すっごい嬉しい。

「んー、じゃああと10秒な!」

「はぁ⁉もう行くから!」

そう言ってあたしは流くんの方へ走る。