「っざけんな!!なんでわざと言わないといけないんだよ!?愛夜が傷つくなんて分かることだろ!!」

俺は玻瑠兄に掴みかかろうとして悠兄と聖夜にとめられながら怒鳴る。

「お前こそふざけんな…いいやつぶりやがって!!」

「は!?」

戸惑った俺を無視して玻瑠兄は続ける。

「僕もお前も悠兄も聖夜も誰1人として愛夜を妹なんて思ってなかっただろ!?」

玻瑠兄の言葉にみんな視線を反らして俯く。

「僕だって愛夜を傷つけたくなんてなかった…
だけど!!」

俺は玻瑠兄をみる。

「いつかは分かることだし、それに言わなけれ
ば僕は一生愛夜の“お兄ちゃん”のままだ…」

玻瑠兄はつらそうな顔になる。

「そんなの耐えられるわけないだろ!?」

誰もなにも言えなかった…

玻瑠兄の言ったことはみんな同じ気持ちだったからだ…

暗く重い雰囲気が漂っていた。