「意外だなぁ。桜にこんな趣味があったなんて」


そう言って笑うと、桜は首を横に振って、


「いや、『趣味』じゃ、ないよ」


そう言うと笑って、





    「『夢』だよ」





と言った。


手をゆっくりとかざす。  


「俺はこの手で、将来、親父の後を継いで、ショコラティエになるんだ」


そう言う桜の目は、輝いていた。