「桜...?」


中にいるのは桜だった。


黙々とボウルの中の物をかき混ぜている。


チーン...✩


オーブンから音がすると、桜はそっとオーブンから何かを取りだした。


「チョコレートケーキ...だよね?」


私はぽそりとつぶやいた。


桜はそれを台に置くと、再びボウルの中の物をかき混ぜ始めた。


1分ほどたって、桜はボウルの中の物―――チョコクリームを袋に入れ、チョコレートケーキに絞り始めた。


全て流れるように、いとおしむように作業を進めていく。