~一樹said~


部屋を出て、桜達の部屋の方を見ると、ドアに耳をくっつけてる篠原さんがいた。


名前を呼ぶと、こちらに気付いた。


「どう?2人の様子」


「うん、仲直りできたっぽい」


そう言う篠原さんの顔は嬉しそうだった。


思わずこっちの笑みがこぼれる。


「よかったー。明日もまたあの空気だったら俺、息詰まりそうだよ」


「ね...」


少し間が開いて、


「...あの子、頑固だから、どうなるかと思ったけど...大丈夫みたいだね」


そう言うと、篠原さんは小さくふぅ、とため息をついた。


何だか、是永さんの『お母さん』みたいだな。