哲也と美雪は番号を交換した。

翌日の昼間、美雪は弥生と会い雄祐たちのこと話した。

弥生は少し戸惑いながらも言った。

「雄たち、今こっちにいるんだね」

「弥生にメンバーみんな会いたがってたよ」

「そうー・・・」

「ねぇー弥生」

「ん?」

「まだ、雄祐君のこと、思ってるんじゃないの?」

「うんー・・・」

「なら会わなきゃ」

「そーなんだけどね・・・」

「今でも雄祐君、弥生のこと思ってるよ。
なのに、会わないの?」

「会わないほうがいいと思うー・・・」

「なんで?」

「私が雄の側にいたら、雄の本当の思いが叶わないから」

「弥生のその気持ち、わかるけど・・・。
でもそれって、弥生が自分の気持ちから逃げてるってことだよ?
弥生だって、雄祐君と一緒になることを1度は真剣に考えたんでしょ?
今でさえ、考えてるんでしょ?」

「美雪ー・・・」

「私は弥生に幸せになってもらいたいと思ってる。
もちろん、弥生のお兄さんもお姉さんも私以上にそう思ってる。
だから、雄祐君と2人で挨拶にきなさいって、お姉さんが言ったんじゃないのかな?
弥生のお兄さんも何も言わないけど、弥生が選んだ男と一緒に幸せになってもらいたいと思ってるはずだよ。
とくにお兄さんは・・・。
弥生だって、その思いはわかるでしょ?
弥生にとって、お兄さんもお姉さんもかけがえのない存在であり親代わりであり家族でり、何よりも大事な兄と姉なんでしょ?」

「うん・・・」

「だったら、弥生が雄祐君と一緒にならきゃ。
これ以上、お兄さんにもお姉さんにも、心配かけたらいけない。
今まで弥生はみんなの幸せを願ってきたんだから、今度は弥生自身の幸せを願い叶えなきゃ。
それを1番に望んで願ってるのは、弥生のお父さんとお母さんじゃないの?
弥生だってもうーわかってるでしょ?」

「うん・・・」

「だったら、雄祐君に会いな。
もし、雄祐君に会わないのなら、私は、弥生が思う雄祐君の気持ちを全否定するし2度と認めない」

「美雪ー・・・」

「それがイヤなら、今、雄祐君と会うことを決めて。
じゃなきゃ弥生のためにならないから」

弥生は考え込むようにうなづいた。

美雪はその場で哲也に連絡した。

「もしもし?」

「はい」

「コンビニで会った、弥生の友達の美雪ですけどー・・・」

「あっ、美雪ちゃん?!」

「今、弥生と一緒にいるんですけど、今から言う場所に来れますか?」

「うん」