玄関で靴を履き替えてると、律唏が外に向かって指を差す。
「蓮斗…アレ…陽葵ちゃんじゃね?」
「ん?…マジだ、陽葵じゃん」
「じゃっ!蓮斗!お先に~♪」
「あ、あぁ…」
ニヤニヤしながら律唏は玄関から出て行く。
なんで陽葵がこの時間にいるんだ?
まさか、補習の俺のこと待っててくれたとか?
俺は走って陽葵の側に行く。
「陽葵!」
「蓮斗!補習お疲れ様でした」
「あ、サンキュ…。陽葵はなんでこの時間にいんの?」
「部活だったの。料理部の」
って言っても料理部が終わる時間は、だいたい6時半。
一時間近くは陽葵を待たせてしまった。
小さい手を軽く握ってみると、ほんの少し冷たくなっている。