「柑夜、誕生日おめでとう」

「ありがとう!
また、わたしの部屋だねぇ。
暇だし、映画にでも行くー?」


わたしはニコニコと笑いました。


「柑夜が行きたいなら、いいけど」

「夏樹が乗り気じゃないなら、いっか。
行きたいところはないの?」

「ああ」

「本当に?」

「あ、あぁ……」

「そう──」


わたしはまだ、ニコニコと笑っていました。