夏樹くんの誕生日から二週間ほどが経ちました。
はぁ、はぁ、と息を上げ、わたしは走っています。
行き先は夏樹くんの家。
走りながら、荷物が揺れないように気をつかうのは疲れます。
でも、心が跳ねるように嬉しいのです。
この家の角を曲がると、彼の家です。
曲がると玄関先に見えた夏樹くんの姿。
グッドタイミングです!
でも、どうして家の前に出てるんでしょう……と思うと同時に気づきました。
「あ……っ」
ひとりの少女がいることに。
濡れたような黒髪は腰ほどまであり、上品な雰囲気。
着ていたのは、夏樹くんの高校の制服。