入学式も終わり、私は張り出されていた自分のクラスへと向かう。



「えっと、確かこっちだったはず」


独り言のようなものをぶつぶつ呟きながら

廊下の角を曲がる。


__ドン


すると、たまたまそこを通りがかったのであろう、
一人の男の子とぶつかってしまった。



「ったぁ」


思わず、尻餅をついてしまった私。


「ああ、悪かったね」


そう言って、ぶつかってしまった彼は私に手を差し出す。



「あ、ありがと…」


「女の子に優しくするのが、男の役目だからね」


差し出された手に、自分の手を重ねた。


「__え?」

すると、突然手の甲に湿ったような生暖かい感触。


見れば彼が私の手の甲にキスを落としていた。



「~~~~~~~っ!!!?」


私は声にならない声を上げ、そいつの顔を鞄でぶん殴って
その場を走り去った。




嘘だ。


こんなの、私が想像していたのと
全然違う!!