あー…
そういえば方向音痴だったな。


『わり。
忘れてた。』

「ひっどーい!!!」


謝ったのに
更に泣きそうになっている結愛。


『わかった、わかった。
アイスおごってやっから
んな、餓鬼みたいに泣くな。』


なだめるようにあたしが言った。
結愛には、泣かれたくない。
そう思ったのに、次の瞬間…


「ホント!?やったぁー♪
泣き真似もしてみるもんだねー♪」


ぶん殴ってやろうかと思った。


『この、豹変女。』


ホント裏表激しい奴だな。
そんなことを思いながら
結愛とアイスを買いに行った。
2人で歩きながらアイスを食べていると…。


「あの…水城 愛羅さんと宮園 結愛さんですか??」


20代前半であると思われる男が声をかけてきた。
誰だ、コイツ…。
そう思いながらも、営業スマイルで返すあたしと結愛。


『はい。』

「そうですけど…なにか??」