江戸に到着した近藤は新たな隊士たちにあっていた。

肌は白く髪も長い。髪の毛の先はまっすぐに切ってあり、几帳面であることがわかる。


「私も、新撰組と手を組、幕府をお守りしていきたいですよ」
「じゃぁ…」

「命つきるまで共に闘いましょう」

「伊東さん!!」

藤堂と伊東さんの仲間が見守るなか伊東派の者達は新撰組に入門することになった。

共に闘いましょうと言った伊東の本心に近藤は気付く事はなかった。



元治元年十月―。

「あれが伊東さんだ」

藤堂が皆に教える。伊東甲子太郎は隊士に歓迎されているさいちゅうだった。

総「あいつ嫌いだな」

原「おいおい仲間になったばかりじゃないか」

総「嫌いなんですもん」

その日は伊東たちの歓迎ね宴があった。その日はいつも以上に騒がしかった。



数日後、幹部が集められ会議がはじまった。

近「隊士が増えるに当たって屯所の場所を移したいと思っている。どこか案はないか。」

土「西本願寺が良いと思う」

山「あそこは長州が出入りしているとき来ますよ!」

土「僧侶に取り合って見る」

伊「それは良い案じゃありませんか。」

山「ですが…」

伊「山南さんは腕はいつなおるんですか」

山南は前の闘いで治らない傷をおっていた。美桜は治そうとしたが、大丈夫ですと拒まれていた。

伊「その左腕は使い物にならないようですが―」

伊東の目はお前は必要ないと言っているように山南は感じていた。

その時、近藤が咳払いをした。

「一応、西本願寺として進めてみよう」


伊東以外はうつ向いたままだった。

「…」

山南は静かに立ち上がる。その場にいた美桜は山南を追いかけた。

「山南さん!!」

「私はお役御免らしいですね」
小さく呟いた山南はその場から去って行った。

(山南さん……)


月夜がきれいなある日、美桜は山南の部屋に訪れた。

「山南さん……」

「白神さんですか。」

山南は顔を歪めて話し出した

「私はもはや用済みなのでしょうか」

「それは違います」

「剣士として死にただ生きた屍にと言うならば―…」

優しい顔が冷たく変わる。

「まだ剣士の間に死なせて下さい。」

美桜に刀を握らせた。

「私には出来ません」

美桜の手に山南の手が重なる。
「っ……!?」

「殺し…て…下…さい」

山南は自分に刃物を向ける。
ぐっと刃物が山南に刺さった。

「――っ」

その場に山南は倒れてしまった。




(山南さん……)

山南を守りたい一心で舞始めた。禁断の舞を……

「神よ。我の力をもちてこの我愛するものを助けて下さい」

山南が光だした。

「狂い桜は冬に咲き、春の桜より永く生きる癒しの力を使いて癒しの花を咲かせましゆう」

山南の傷はまだ治らない。

「神よ。私の命の変わりとして我愛する者を守りたまえ―‐」

美桜は意識を失った。



『美桜―‐』

だれ?私を呼ぶのは…

『山南と言われる男、そんなに大事?』


大事に決まってる…


『あなたにはあの人達が必要なのね』

うん…

『山南は桜に生まれ変わる。あなた達を見守っているわ。』

あ…りが…とう

『山南を助けられなくてごめん―‐』


――――――――――‐‐‐


次の日、土方は山南の屍と倒れている美桜を見つけた。


土「山南さん…」


彼の葬儀は美桜が眠りから覚めたあと、執り行われた。

「「「………」」」

皆が山南の死を悔しんだ。


土(山南さん…貴方は新撰組に必要だった。)












山南は自分の誠を貫き通して亡くなったー。






山南が亡くなってから四ヶ月後ー。

沖田の病は進行していた。


総「けほ……ごほ……」

「沖田さん…。」

総「風邪を拗らせちゃったらしいだ」

「私が舞って…「止めてよ」

美桜が言う前に止められた。

「ただの風邪だからすぐなおるよ」

そう言った彼は悲しげな顔をしていた。だが決意の顔でもあった。