ド―――ンッ!

大砲の音で目が覚めた。

近「トシについていけ」

近藤さんに声をかけられた。

「はい!!」


土方は風邪を切るように走り出した。それに幹部と隊士が続く。

残された今津藩の藩士達は彼らが消えていくのをみていたがすぐに

「続けーーっっ」

と叫んだ。


(これが戦場……)

死体や血が広がっている光景に息を飲んだ。

原「土方さん。公家の方にはまだ長州のやからが居るらしいぜ」

「なに!」

皆の顔つきが変わる。

「天王山へ向かう!準備をしろ」

「…はい」

美桜は白拍子のふくに着替えた。そして土方達の後を追いかけた。

「いくぞ」


皆それぞれバラバラに天王山の方にいくことになった。

美桜は土方と隊士の六人で動いていた。

突然、新撰組のいく手に人影が見えた。

「お前達は先に行け」

「はい」

その言葉をかけられ美桜も走ろうとした。が―‐

「白神美桜。お前に用があってきた。」

「なぜ私の名を―?」

「お前の兄を知っている。お前を迎えに来た。」

そういってこちらに近づいてくる。

カシャン―

土「おっと。こいつはもう俺たちの仲間でな」

「土方さん」

土方が彼に刀を向けていた。
そして切り合いが始まった。

かれが剣を振り、土方が交わす。土方が反撃をする。の繰り返しだった。

私がその戦いを見ていると、横から声がした。

「風間、もうやめろ」

「…」

「さつま藩に属する私たちが新撰組と戦う意味がどこにある」
「…」

「すまなかったね。私は天霧九寿、こいつは風間だ。」

そうして去ってしまった。


新撰組が天王山に行ったときには皆、切腹していた。

近「ご苦労だった」

近藤がつげてすぐに

「京の町が燃えてる」

と言う声が聞こえた。

(燃えてる‐!?)

横にいる土方は悲しそうな顔をしていた。


新撰組になすすべはなく燃え盛る京の町を見ていた。



燃え盛る炎は新撰組までをも飲み込んでしまうのか―‐



元治元年八月―。

京のあの事件から丁度一ヶ月後。京の活気はもとに戻っていた。


この頃、平助は新たな隊士を求めて、江戸に行っていた。

平助が連れてくる者達が事件を興すことなど知るよしもなかった―‐


江戸に到着した近藤は新たな隊士たちにあっていた。

肌は白く髪も長い。髪の毛の先はまっすぐに切ってあり、几帳面であることがわかる。


「私も、新撰組と手を組、幕府をお守りしていきたいですよ」
「じゃぁ…」

「命つきるまで共に闘いましょう」

「伊東さん!!」

藤堂と伊東さんの仲間が見守るなか伊東派の者達は新撰組に入門することになった。

共に闘いましょうと言った伊東の本心に近藤は気付く事はなかった。



元治元年十月―。

「あれが伊東さんだ」

藤堂が皆に教える。伊東甲子太郎は隊士に歓迎されているさいちゅうだった。

総「あいつ嫌いだな」

原「おいおい仲間になったばかりじゃないか」

総「嫌いなんですもん」

その日は伊東たちの歓迎ね宴があった。その日はいつも以上に騒がしかった。



数日後、幹部が集められ会議がはじまった。

近「隊士が増えるに当たって屯所の場所を移したいと思っている。どこか案はないか。」

土「西本願寺が良いと思う」

山「あそこは長州が出入りしているとき来ますよ!」

土「僧侶に取り合って見る」

伊「それは良い案じゃありませんか。」

山「ですが…」

伊「山南さんは腕はいつなおるんですか」

山南は前の闘いで治らない傷をおっていた。美桜は治そうとしたが、大丈夫ですと拒まれていた。

伊「その左腕は使い物にならないようですが―」

伊東の目はお前は必要ないと言っているように山南は感じていた。

その時、近藤が咳払いをした。

「一応、西本願寺として進めてみよう」


伊東以外はうつ向いたままだった。

「…」

山南は静かに立ち上がる。その場にいた美桜は山南を追いかけた。

「山南さん!!」

「私はお役御免らしいですね」
小さく呟いた山南はその場から去って行った。

(山南さん……)