土「俺。ちょっくら抜けるわ」
土方は美桜を抱いて広場から出ていった。

そうして美桜を美桜の部屋につれていき、布団に寝かせようとしたが

「土方しゃん行かないで」

「///」

美桜は土方の袖を掴んでいた。
「俺はどこにもいかねぇよ」

そうして土方は美桜にキスをした。

「んっ―‐」

「お休み。美桜―‐」

美桜は寝てしまった。


次の日―‐

「おはようございます」

平「昨日あのあと何もなかったよな」

「なんのこと?」

総「昨日は大胆でしたね」

山「びっくりしました」

「山南さんまで。なんの話?」
山「昨日、土方さんに抱き付いた話ですよ」

「えっ、えぇぇぇ~」

土「覚えて無いのか?」

「昨日の記憶はありません」

土「そうか」

良かったと言う声が聴こえたがどういう意味なのか分からなかった。

平「土方さん。襲ってないですよね」

土「…一応な…」

平「そのまはなんですか」

山「保護者として何があったか聞かせて貰いますよ」

総「だね」

原永「「めっちゃ気になるな」」
斎「…」


話についていけない美桜だった。

元治元年 七月―。

全員が大広間にはいると近藤が口を開いた。

「今津より長州制圧の為出陣せとの命が下った」

永「よっしゃぁぁぁ。新撰組の晴れ舞台だ」

沖「ですね。楽しみです」

土「お前は風邪をひいているだろう。お前は残れ」

沖「はい。分かりました」

近「美桜ちゃんもついてきてはくれないか」

「えっっっ」

近「看護方に回れるものがいなくてな」

「頑張ります」

新撰組の出番が出来たことに皆喜んでいた。一人を除いては―‐

沖「…」


翌日、照りつける太陽が目映い朝早く。新撰組は歩き出していた。

誠の旗を掲げながら―‐


一人、屯所に残った沖田はかんがえていた。

(美桜ちゃんになおしてもらえるかも知れない)

沖田の病は労咳だった

死病とも呼ばれている病気であり、血をはく。

(まだ、美桜ちゃんには頼れない)

沖田も誠の旗を掲げる武士だ。
最後まで武士であり続けたい。
(バレるのも時間の問題だな)
そうして沖田は戸をそっと閉めた。


このときからだろうか?


彼らの歯車が噛み合わなくなってしまっていたのは―‐



新撰組が伏見につくと役人に

「さぁ帰れ、壬生狼などに用はないわ」

等と言われた。だから仕方なく今津藩と合流することになった。

土「新撰組の扱いはこんなもんなんだな」

寂しげに見えるその横顔をそっと見つめていた。

「…」

皆、戦いたがっていた。



新撰組に与えられたのは軍の隅だった。


永「ここは予備軍らしいな」

「えっ?」

原「皆が皆、冷静過ぎんだよ」
「…」

原田は美桜の顔を見て

原「大丈夫か。寝れるときに寝ろよ」

平「僕の膝貸してあげよっか」
平助がいたずらぽく笑った。

「ぇ、遠慮しときます」


美桜は疲れが出て座ったまま寝てしまった。




ド―――ンッ!

大砲の音で目が覚めた。

近「トシについていけ」

近藤さんに声をかけられた。

「はい!!」


土方は風邪を切るように走り出した。それに幹部と隊士が続く。

残された今津藩の藩士達は彼らが消えていくのをみていたがすぐに

「続けーーっっ」

と叫んだ。