空になった屯所に山南さんと言われるひととふたり、落ち着かない時間を過ごしていた。

「美桜さん」

「はい」

「初めましてですよね。私は山南敬助です」

山南さんは髪は前髪も方まであって眼鏡をしている。すごく優しそうなひとだ。

「山南さんは皆さんを信じているのですね」

「…。そうなのでしょうか」

山南さんのかおはなぜか悲しそうだった。

「総長」

観察方の山崎が駆け込んできた。

「本命は池田屋です」

「池田屋!?」

さんなんの顔色が変わった。


「山崎くん。土方さんに伝えて下さい。美桜さんは看護の準備を」

「「はい」」

美桜は急いで白拍子の服に着替えた。


山「私は近藤さんの方に行ってきます」

「気をつけて下さいね」

山「わかってますよ」

山南さんは困った顔をしていた。

(私も準備しなくちゃ)

美桜は一人になってしまった。

近藤さんは焦っている隊士を見ていた。

総「近藤さん。どうしますか」
近「…」

近藤は少し考えこんだ。

そして

「今津中将殿お預かり、新撰組。逆らうもの容赦しない」

そう叫んだ。

池田屋事件の幕開けだ。



「斬れぇぇぇ」

近藤が叫ぶと同時に激しい切り合いが始まった。

「うがぁぁぁぁ」

浪士たちは倒れていく。

永「役人はいつくるんだ。」

総「僕は二階に行ってくるよ」
永「頼んだよ」

平助は二人と違う部屋で戦っていた。

平助は前を見ていて後ろの浪士に気がつかなかった。

永「平助、危ない」


屯所に運ばれてくる隊士達。

そのなかには平助がいた。

「藤堂さんっ」

「平助で…いよ」

「平助くん。まってすぐに舞うから」

平助の背中に大きな傷があった。

すぅ―‐

「舞落ちる木の葉よりも美しゅうて天に登りしこの気持ち愛し心は傷を癒す―‐」

平助の傷は治ってきた。


「木の葉よ舞散りゆき癒しのはなをさかせ主のように―‐」

(傷が深すぎる)

(あれをするしかない)

美桜は扇子を取り出した。桜の樹が書かれていた。

「神よ。主の力を使い我の愛し人を助けたまえ」

平助は光だした。

永「えっ」

「君を愛し見る織は美しい秘桜の余に我が身をもって癒しのはなをさかせる―‐」

美桜は倒れてしまった。

平助の傷は完全に無くなっていた。

永(すごい)

永倉は美桜を抱き上げ自室に寝かした。


土方は池田屋に着いた。

近「トシ、上で総司が戦っている。」

土「わかった」

土方は二階に走っていった。

土「総司!!」

総司が倒れていた。その近くには今回の黒幕と呼べる者が亡くなっていた。

土「血を吐いている!?」

土方は総司の異変に気付いてしまった。

沖「ははっ。土方さんじゃないか。どうせなら美桜ちゃんが良かったな」

土「バカか」

沖田は気を失った。


新撰組の勝利で幕を閉じた。

これを後に池田屋事件といい世に新撰組の名を知らしめるものとなった。

三日たったが美桜は目を冷まさない。

美桜が目を冷ますのは五日後だった

太陽が照らす朝早く、五日ぶりに美桜は目覚めた。

「んっ…」

目の前には土方さんの顔があった。

「あれっ。土方さんじゃないですか。」

土「あれっじゃない!!」

「ふへっ」

土「お前は五日間寝てたんだぞ」

「えっ?嘘…」

土「本当だ」

土方の目の下には隈があった。
「土方さん、ずっといてくれたんですか?」

「あぁ…し「心配だったんですよ」

総司が部屋に入ってきた。

土「総司~」

沖「本当じゃないですか。土方さん」

土「まぁ」

そんな話をすると平助が入ってきた。

平「土方さん。お茶だぜ……って美桜!!」

「平助くん。無事だったんだ。」

美桜が平助に抱き付いた。

平「みっ…おう、??」

「死んじゃうんじゃないかって怖かった」

美桜は泣き出した。

それを総司と土方はみていた。

朝ご飯を食べることにした。

「必礼します」

近「美桜ちゃ~ん」

「皆さん心配をかけてすいませんでした。」

そう言い皆でご飯を楽しく食べ始めた。

永「なんであの舞では倒れたんだ。」

「あっ…あれは…」

「「「なんだぁ」」」

永倉と原田と平助が声を揃えていった。

「それは―‐」