半年は穏やかに暮らしていた―‐

幹部達が呼び出された。

土方が入ってきた。

「古高が吐いた。」

「長州は天子様を連れ出すそして京に火を放つらしい」

土方の話は恐ろしいものだった。
「あいつらバカなんじゃないの」

総司があきれる。
土方は

「今日、会合を開くという噂を聞いた」

と表情を厳しくした。

「会合を開くのはどこだ」

近藤が聞いた。山崎と言われる男が降りてきた。

「四国屋あるいは池田屋のいずれかだと思います」

「よし。トシ、隊士達を集めてくれ」

局長の名で幹部は動き出した。


皆、揃っている羽織を着て勇ましく立っている。

総「まだどちらかわかりませんがどうします」

総司がいった。

近「私は隊士十人とで四国屋にいく。」

土「十人…じゃぁ平助、総司、新八をつれていけ」

わずかな人数で動くことになった局長を土方は心配していた。
近「美桜ちゃん。看護を頼んだよ」

「はい局長」

美桜は胸騒ぎがした。

(私の命に変えても幹部の人たちを死なせない)


空になった屯所に山南さんと言われるひととふたり、落ち着かない時間を過ごしていた。

「美桜さん」

「はい」

「初めましてですよね。私は山南敬助です」

山南さんは髪は前髪も方まであって眼鏡をしている。すごく優しそうなひとだ。

「山南さんは皆さんを信じているのですね」

「…。そうなのでしょうか」

山南さんのかおはなぜか悲しそうだった。

「総長」

観察方の山崎が駆け込んできた。

「本命は池田屋です」

「池田屋!?」

さんなんの顔色が変わった。


「山崎くん。土方さんに伝えて下さい。美桜さんは看護の準備を」

「「はい」」

美桜は急いで白拍子の服に着替えた。


山「私は近藤さんの方に行ってきます」

「気をつけて下さいね」

山「わかってますよ」

山南さんは困った顔をしていた。

(私も準備しなくちゃ)

美桜は一人になってしまった。

近藤さんは焦っている隊士を見ていた。

総「近藤さん。どうしますか」
近「…」

近藤は少し考えこんだ。

そして

「今津中将殿お預かり、新撰組。逆らうもの容赦しない」

そう叫んだ。

池田屋事件の幕開けだ。



「斬れぇぇぇ」

近藤が叫ぶと同時に激しい切り合いが始まった。

「うがぁぁぁぁ」

浪士たちは倒れていく。

永「役人はいつくるんだ。」

総「僕は二階に行ってくるよ」
永「頼んだよ」

平助は二人と違う部屋で戦っていた。

平助は前を見ていて後ろの浪士に気がつかなかった。

永「平助、危ない」


屯所に運ばれてくる隊士達。

そのなかには平助がいた。

「藤堂さんっ」

「平助で…いよ」

「平助くん。まってすぐに舞うから」

平助の背中に大きな傷があった。

すぅ―‐

「舞落ちる木の葉よりも美しゅうて天に登りしこの気持ち愛し心は傷を癒す―‐」

平助の傷は治ってきた。


「木の葉よ舞散りゆき癒しのはなをさかせ主のように―‐」

(傷が深すぎる)

(あれをするしかない)

美桜は扇子を取り出した。桜の樹が書かれていた。

「神よ。主の力を使い我の愛し人を助けたまえ」

平助は光だした。

永「えっ」

「君を愛し見る織は美しい秘桜の余に我が身をもって癒しのはなをさかせる―‐」

美桜は倒れてしまった。

平助の傷は完全に無くなっていた。

永(すごい)

永倉は美桜を抱き上げ自室に寝かした。


土方は池田屋に着いた。

近「トシ、上で総司が戦っている。」

土「わかった」

土方は二階に走っていった。

土「総司!!」

総司が倒れていた。その近くには今回の黒幕と呼べる者が亡くなっていた。

土「血を吐いている!?」

土方は総司の異変に気付いてしまった。

沖「ははっ。土方さんじゃないか。どうせなら美桜ちゃんが良かったな」

土「バカか」

沖田は気を失った。


新撰組の勝利で幕を閉じた。

これを後に池田屋事件といい世に新撰組の名を知らしめるものとなった。

三日たったが美桜は目を冷まさない。

美桜が目を冷ますのは五日後だった

桜幸恋華

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