『知紗も心を許してるから?』


心なんて……許すわけない。


最近知り合ったばっかの男に。


ましてや、簡単に手を出す男に。



なのに……笑ってたなんて。


それはたぶんケーキがおいしかったから、だよね。



あたしはひとり納得して、蛇口をキュッとひねり水を出した。



「……冷たっ!」


勢いよく出た水は、隣にいた子にかかってしまったらしい。


慌てて横を向き、謝ろうとする。



「あの、ごめ……!?」