「ごめんね、ホントに奢ってもらっちゃって……」


あたしはそう言いながらも、口にケーキを運ぶ。


……おぉ!おいしい!



「ありがとう、が嬉しいな」


そう言って微笑むヤツ。



「……っ!」


突然の笑顔にドキッして、ケーキが喉に詰まる。



「ゴホッ、ゴホッ」


たかが笑顔くらいでなに動揺してんの、あたし……。



「フッ、大丈夫?」


コーヒーを渡してくれて、それを少し口に含む。



「ご、ごめんなさい……」


コーヒーを飲んで落ち着いたあたしは、また謝る。