「キスしちゃったお詫びに、何か奢りたいから。甘いものとか好き?」


なによ、キスしちゃったお詫びって……!


ファ……ファーストキスだったのに!


ってか、男とキスなんて一生しなくてもよかったのに!



……とか、思いながらも甘いもの大好物なんだよね。



「甘いもの、好き」


膨れながらもあたしがそう言うと、井岡篤樹はフッと嬉しそうに笑った。



「じゃあ、行こっか?」


そう言って手を握ってくる。


すごく女慣れしてるんだろうな、この人……。



イヤだって感じないのは、きっと甘いものが食べたいからだよね……?


あたしは自分をそう納得させながら、井岡篤樹についていった。