「か、可愛いなんて何回も言わないでよ!てか、最低!いきなりキスするなんて!」
「そう言うわりに、そこまでイヤそうじゃないけど?」
あぁ~っ、もう!
さっきから頬が熱いんだから!
あたしは両手で頬を隠すようにして、うつむいた。
「知紗ちゃんが照れるとこ、初めて見た。やっぱ可愛い」
だからなんなの、コイツ!
誰か、なんとかしてよー!
「か、帰りますっ!」
このままじゃ埒が明かないよ。
早く帰ろっと!
せっかくバイトも休みだし!
「だから、帰らないでってば!」
またもや、井岡篤樹に手首を掴まれる。
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