「またサッカー部の練習、見てほしいな」 そして、こんなことを言ってきた。 「もう行くことはないですから」 あたしはそれだけ言うと、その男に背中を向けて歩きだす。 「知紗ちゃん、ますます気に入った。……じゃあ、また今度会う時にね!」 そう言うと、あたしを追い越して桐山男子の門の方へ駆けていった。 ……今度会う時なんてないから!