「噂はホントなんだ……」


首を傾げるあたしに、目の前のイケメンくんは納得顔。



「俺、平塚龍磨(ひらつかりゅうま)って言うんだ。せっかくだから、名前教えて?」



……せっかくだから?


よく分かんないな、この人……。



「……って、聞いておきながら、知ってるんだけどね。秦野知紗ちゃんでしょ?」

「へ?」


あ、信号が青に変わった。


桐山男子に行くにも、この信号を渡らないといけない。