「……何か、言ったか?」


隣に並んで、にこっと笑う篤樹。



「うわあぁあ!何でもないっ」


篤樹、足速っ!

もう少しで聞かれるところだった……危ない危ない。




「大好き、ねぇ……」

「え!?」

「俺は愛してる、だな」



────ウソ。

今、愛してる、って言った……?



「何で泣くわけ」

「篤樹が、悪いんだよ……っ」


ズルいよ。

篤樹の方が一枚上手だもん。