「知紗、何食べる?」

「あー…あたしはもう食べたから気にしないで?」


「そっかー」と言いながらメニューを凝視する明里。



「あのさ、朔と一緒に食べないの?」

「ゴホッ、ゴホッ!」

「えっ!?大丈夫!?」


急に咳き込んだ明里の背中を擦ってあげる。

注文を待っていた南さんも心配そうに見つめてる。



「もう、びっくりしたぁ……」

「な、何が?」


あたし、変なこと言った?



「朔と2人きりはこれ以上ムリなの!だから知紗と「明里!」


明里の言葉を遮って、海の家へ入ってきたのは朔、だった。


もちろん、だて眼鏡をしているからバレる心配は……多分なし。