「知紗は何も分かってねーよ」
「へ……?」
何のこと…?
篤樹の肌とあたしの肌が直に触れて、恥ずかしい。
汗だってかいてるし、かなり暑いのに。
………篤樹の腕の中は居心地がいい。
「可愛い、って言ったの」
「う、うん……?」
それは素直に嬉しい。
だけど……
「見なきゃよかった、って?」
「それ、聞くのかよ」
えっ……それ聞かないと、あたし悲しいままになるんだけど。
すると、急に身体が放されて、篤樹はあたしの目線に合わせるように屈んだ。
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