にこにこと───でも、どこか、意地悪そうに微笑んでいる篤樹。



「は、早く行こ!」


かなり前を歩く霞と魁斗くんに、追い付くように

あたしは篤樹の手を引っ張った。



「知紗、可愛すぎ……」

「うるさいっ!」


真っ赤であろう顔を隠すように、ただひたすら早歩きした。


いつの間にか“知紗”って当たり前のように呼び捨てにしてるし、

あたしの心臓が休まらない──…







「───……あれ?南さんに湊斗先輩?」


時刻はそろそろ12時を回っていて

昼食を取るために、海の家に来たんだけど。



「知紗ちゃん、久しぶり」