ホールに立ってしばらくした頃。



「いらっしゃいませ。何名様ですか?」


カップルを空いている席へ案内しながら思う。


……あたし、意外と接客が出来る。


てか、むしろ……。



「パフェ1つとコーヒー2つですね。少々お待ちください」


けっこう楽しいなんて思っている自分がいる。



「知紗ちゃん、どう?」


厨房にさっきの注文を知らせた、ちょうどその時、矢田さんに声を掛けられた。



「接客って楽しいですね。いろいろと新鮮です」


あたしはニコッと微笑む。