「お父さんのスーツにこびり付いていたものね」


そ、そっか……

お母さんが知らないわけ、ないよね。



「でもそれが浮気の証拠になんかならないわよ?」

「え……そう、なの?」


戸惑いながら、お母さんを見つめ返す。



「そうよ。さっきも言ったけど、お父さんは外国の人を相手にする仕事をしていたのよ?」


お母さんは「今もだけど」と言った後、さらに言葉を続けた。



「その香水は生徒達だと思うわ」



生徒達……って、外国人?