「お母さん、今日早く帰ってこれるからご飯は作らなくていいよ、ってメールがきてた」
……てか、あたしそこまで料理が下手なわけじゃないし!
文句言うなら千尋に作ってあげないから!
と、心の中で憤慨していると。
「そっか……緊張するなー…知紗ちゃんのお母さんに会うなんて」
篤樹が優しい瞳をして、苦笑いをこぼした。
緊張、か……
「大丈夫だよ。お母さんおっとりしてるからさ」
あたしが彼氏を連れてくるなんてビックリするだろうけど、
きっと応援してくれるはずだよ。
あたしが1人頷いていると。
「いや、知紗ちゃんのお父さんの話を聞くだろ?」