仕方なくベッドから下りて、ゆっくりと机へ向かう。 朝ちゃんと起きれるように、携帯はベッドから遠ざけてあるの。 ……今はこの距離が遠い。 「えーっと……?」 あたしはちょっと不機嫌になりながら、メールを開いた。 【弁当忘れたから、持って来て!】 ……は? メールの送り主は、あたしのひとつ年下の弟、千尋(ちひろ)。 ……お弁当を忘れた、だって?