『ピ―――ッ!!』 試合を始める合図が聞こえて、 あたしはすぐさまグラウンドに目を向けた。 と、同時にカメラを構える。 篤樹のことで本来の目的を忘れるところだった。 危ない危ない…… レンズからグラウンドを覗く。 先に攻めているのは相手の学校。 パスがキレイに回って、ボールはゴールの近くまできている。 「……──っ!!」 もう1点取られてしまうのか、と思った瞬間 あたしは息を呑んだ。