あたしは学校が終わるとすぐ、教室を飛び出した。
もちろん──…霞に"ありがとう"を伝えて。
この気持ち……なんだか不思議でくすぐったい。
あたしが恋するなんて思ってもみなかったの。
でも──…気持ちを認めたら身体が軽くなった気がする。
───コンコン
「朔!」
正門前に止まっている車のドアを軽く叩いてみる。
呼ぶ声はもちろん小声。
タオルを顔に被せて寝ていたらしい朔は、その音に反応して飛び起きた。
「っ…知紗か…──後ろに乗ってくれ」
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