「あたし……知紗が涙零しちゃうくらい井岡篤樹が好きだなんて知らなかったな…」 ───好き? あたしが……篤樹を? 「待ってよ……あたし、男嫌いだか「篤樹くんも?」 あたしの否定の言葉を遮った霞。 『篤樹くんも?』 篤樹のことは……嫌いじゃない。 だからって“好き”になるの? あたし恋なんて知らないもん。 好きっていう気持ちも…… でも、まさか… 自分の気持ちさえハッキリ分からないなんて。