花火が静まった頃、南さんが口を開いた。
「変なこと言ってごめんね!気にしないでね?」
そう言うと来た時同様、フラッといなくなってしまった。
やっぱり……南さんは湊斗先輩が好きなんだ……。
霞を羨ましく思うのはあたりまえだよね。
霞は魁斗くんと付き合えているんだから。
……付き合う、か。
好きな人とそうなれたらどんなに幸せだろうか。
あたしが幸せだと思う時は来るのかな……?
それは……あたしが心から信頼出来る大好きな人が現れるまで……来ない。
その時はすごく遠い気がする。
そんなことを思いながら、綺麗な花火を見つめていた。