「……え?」 あたしは見上げていた顔を南さんに向けた。 すると、南さんは慌てて手を振りながら微笑んだ。 「ごめんね、いきなり!つい……霞が羨ましく思っちゃって」 霞が? 「いや、違うな……霞より知紗ちゃんが羨ましいんだ」 ……あたし!? 「あたし湊斗のこと好きだから」 その時の南さんの表情は、昨日みたいな……切なげな表情だった。 次は大きな花火が上がり、自然とお互い黙ってしまう。