「いたっ!ちょ、なにす……」

『またしても“知紗ちゃん”と言う方です!ステージに上がってもらえますか~?』


霞に文句を言おうとしたら、遮られた言葉。



「ほら、上がってだってよ?」


霞が顎でクイッとステージの方を示す。


……え?

ステージに上がれと!?


平塚くんは湊斗先輩みたいに、来なくていいよって言わないから……。

行った方がいい……のかな?


あたしはしぶしぶ、ステージへ歩みを進める。


ステージに上がって何を言えばいいの……!?



「あの子、誰なの?」

「いやあーっ!龍磨くーん!」


周りからいろいろ聞こえてくる中、ステージへ向かう。