『俺は知紗ちゃんが好きです』
こんなに大勢の人がいるのに、シンと静まり返ったグラウンドには、湊斗先輩の声だけが響いた。
『お相手の女の子は、どこにいますかー?手を挙げて下さい!』
……えっ、えぇ!?
ホントにあたし?
あたしがおどおどしていると、肘にコンと何かが当たった。
「知紗でしょ!手、挙げないの?」
霞の肘が当たったかと思ったら、次は腕を引っ張られる。
「え、あ、あたし?ホントに?」
あたしの言葉にお構い無く、霞はスゥッと息を吸い込む。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…