「二人三脚なら、大丈夫だよ?練習であんなに上手くいったんだし」


勝手に二人三脚のことだと思ったらしい平塚くんは、ニコッと微笑んだ。



「うん、そうだね。頑張ろ!」


二人三脚の練習の時、思ったけど……平塚くんは悪い人じゃない。


むしろ、すごく爽やかでいい人。


普通の女の子だったら、好きになっちゃうのかもしれない。



なのに……だからこそ、なのかな?


平塚くんと真逆な篤樹が、あたしの中から消えないのは。



……あーあ……。


こんなに1人の男が気になるなんて、バカみたい。


彼女だっているのに。



……って、なに考えてるの、あたし!


頭をブンブン振るあたしを不思議そうに見ている平塚くんは、スルーしといた。