「はい、お弁当!お母さんは見に行けないけど、頑張ってね!」
体育祭当日の朝。
今日も仕事のお母さんから、お弁当を手渡された。
「ありがとう!」
「よかった。来なくて……」
あたしの隣でぶつぶつ喋る千尋の頭を叩く。
「いってぇ!姉ちゃん、最近ひどくねぇ!?」
「じゃあ、いってきます!」
頭を押さえながら訴えてくる千尋を無視して、玄関へ向かう。
「あらあら……仲良くするのよ?」
玄関まで来てくれたお母さんは、呆れたように言いながらもニコニコ笑っている。
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