……えっ!?
あたし、そんなに元気なさそうに見える?
「少し休憩したら?外の空気でも吸ってくるといいわ」
矢田さんはそう言って微笑むと、また仕事に戻った。
……ホントにいい人だなぁ、矢田さん。
あたしはそう思いながら、裏口からお店の外へ出る。
「……っ!?」
裏口から出るとそこには、怪しい人物が1人。
壁に背中を預けて立っているその人は、マスクとサングラスを身につけている。
お店の裏は従業員専用の駐車場になっていて、普段は人がいない。
今も、あたしとその人物なふたりきり。
もしかして、これってヤバい状況!?
びっくりして後退りをしたら、ドアに頭をぶつけた。
「相変わらず失礼だな、お前……」