サボるくらいなら、あたしは二人三脚の練習したいな……。
「お前がいないと意味ねぇから」
またお前って言う……。
ケーキ屋さんでは“知紗ちゃん”なんて呼んでたくせに。
篤樹って、裏表激しいの?
「なによ、それ……?え、っと……中庭ならこっちだけ……」
「よし、行くか」
また、手首を掴んで引っ張られる。
篤樹って、やっぱりなに考えてるか全然分かんない……。
なんか急な展開に驚いて忘れかけてたけど、あたし、この人にキス奪われたんだよね……。
しかも、そんなことされたのに、無意識に笑顔を向けてたみたいだし……。
中庭に向かって歩く途中、あたしの手を引っ張る篤樹の背中を見つめながら、そんなことを考えていた。