そんなことを考えていると、篤樹にグイッと腕を引かれて、仕方なくあたしも歩く。
「先生、秦野さんケガしちゃったんで、保健室連れて行きますね」
体育の先生の近くまで歩み寄り、そう言った篤樹。
「……は?」
思わず間抜けな声が出た。
あたしがケガしたことにされてるの!?
「あの、違っ……」
「おー、秦野大丈夫か?」
「井岡、ちゃんと連れて行ってやれよ」
あたし達の体育の先生、桐山の体育の先生と続けて喋る。
……あたしの話を聞く気はないのかっ!
「じゃあ、行こうか」
優しく背中を支えてくる篤樹。
……え、さっきと違う。