百合丘と桐山が合同で体育祭を行うなんて、初めてのことなわけで。


彼氏や彼女がいる人にとっては、この上ない幸せだろうね。



「でも、知紗が心配で……魁斗に頼んで誰か探してもらおうか?」

「あたしは大丈夫だから。魁斗くんと練習してきて?」


誰が相手でも、イヤなのには変わりないし。


探してもらっておいて失礼な態度取っちゃうのは、気が引けるもん……。



「えっ、待って!知紗、誰と組むの?」


ふらっと歩き出したあたしを、霞が呼び止める。



「んー……まぁ、適当に」


学校行事だし、最終的には先生がなんとかしてくれるでしょ。



「えっ……!?」


まだ納得いかなそうな霞に微笑んで、あたしはまた歩きだした。